[Alcholism] 赤ワインの健康的な飲み方 ?

 赤ワインを口に含み、ゆっくりと舌の上を転がして飲もう。
そうすれば、深い味わいを楽しむ事ができるだけでなく、健康に
よいとされる成分が多く吸収されるかもしれない(そうでないか
もしれない)。

このように考えているのは、Queensland大学(オースストラリア)の Lindsay Brown氏らである。彼らがAlcholism誌に書いたミニレビューによると、適量の赤ワインが体によいことや、レスべラトロールと呼ばれるポリフェノールが赤ワインの健康成分の一つであることは知られていたが、多くの研究からそのメカニズムが徐々に解明されてきているようだ。

フレンチパラドクスとして知られる赤ワイン摂取による冠動脈疾患の予防効果に加え、レスべラトロールの効果は、もっと幅広い可能性を秘めている。癌の予防や炎症の軽減、糖尿病や肥満の解消などへも良い作用を持っているかもしれない。

主な作用点としては、高用量では、がん細胞のアポトーシスを促進して癌予防に働く可能性。低用量では、心筋保護作用を発揮する可能性。そして、活性酸素を除去して細胞への血液供給を助けていると思われる。

レスベラトロールは消化管や肝臓では不活化されているのだそうで、いったいどこから吸収されているのだろうかという疑問がわいてくる。その疑問を解決するため、研究者らは、レスベラトロールの体内への吸収機序を研究中なのだとか。そして、冒頭の発言、赤ワインは口腔粘膜から吸収されている可能性を指摘している。


Alcoholism: Clinical and Experimental Research Published Online: 10 Jun 2009
The Biological Responses to Resveratrol and Other Polyphenols From Alcoholic Beverages

少なくとも、赤ワインを一気飲みするよりは、ゆっくり味わって飲むほうがよいことに間違いはないだろう。

知の冒険では、過去にも赤ワインと健康に関して関連記事を取り上げています。

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赤ワインの秘密_産地はどこがいい? [Nature]

南西フランスやイタリアのサルジニア地方で作られている伝統的
な醸造法による赤ワインにプロシアニジンが多く含まれ、実際、
これらの地域は長寿でも有名な地域なのだそうだ。

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長寿薬の可能性 [Nature]

Joseph A. BaurらがNatureの11月16日号に報告したところによる
と、赤ワインに含まれる成分、レスベラトロール(3,5,4′-トリ
ヒドロキシスチルベン)を餌に混ぜて与えた結果、高カロリーの
餌を摂取して太るはずだったマウスが、普通の餌を食べているマ
ウスなみの変化に抑えられ、対照マウスよりも生存期間が3~4ヶ
月長くなったそうです。

値上げの効能 [Nature]