[BMJ] 笑う人のリスク・ベネフィット

「笑う門には福来たる」というが、
今年一年、いつもにこやかに笑い、自然に幸福がやってくる家でありたいものだと願っている。

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さて、BMJのクリスマス企画の第二弾、CBC Newsに”Laughter’s 8 benefits and 6 risks”として取り上げられた研究を紹介しよう。

笑いは心の健康をもたらし、良いことばかりだと思っていたが、実は笑うヒトにも健康リスクがあるのだという。

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バーミンガム市民病院のRobin Ferner氏とバーミンガム大学のJ.K.Aronson氏らは、1946年から2013年までの報告を調べ、笑う人の治療効果として次のことをリストアップした。

・ 怒りや不安、鬱・ストレスの軽減
・ 心理的にも心血管への影響からも緊張を緩和する効果
・ 疼痛閾値を上げる効果
・ 心臓発作リスクの減少
・ COPD患者の肺機能改善
・  カロリー消費(真の笑いは1日2000カロリーの消費につながる)
・ 糖尿病患者の血糖値改善
・ 体外受精後の妊娠率の増加(clown joked with would-be mothers)

一方で、笑いはいいことばかりでもないらしい。

・ 失神、
・ 心臓・食道破裂、
・ 腹部ヘルニア突出、
・ 喘息発作の誘発
・ 頭痛
・ 腹圧性尿失禁

などなど。

なるほど、大笑いすると腹圧がたかまるためにヘルニア突出や腹圧性尿失禁も起こるだろうし、短い呼吸を繰り返すことで呼吸器系にも影響することもあろう。しかし、著者らもDiscussionで論じているように本スタディには含み笑いや微笑み程度の笑いは含まれておらず、笑いの定義がどこからどこまでとするかが難しい。

We limited our search to “laugh$,” and did not explicitly seek cacchinations, cackles, chortles, chuckles, giggles, grins, guffaws, smiles, smirks, sneers, sniggers, teehees, or titters; we also ignored sources of laughter (comedy, drollery, humour, jest, jocularity, whimsy, wit, and wisecracks).

ただの笑いといっても、たくさんの言葉があるものだ。

CHRISTMAS 2013: FOOD FOR THOUGHT
Laughter and MIRTH (Methodical Investigation of Risibility, Therapeutic and Harmful): narrative synthesis
BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f7274 (Published 12 December 2013)

CBC News / Laughter’s 8 benefits and 6 risks
http://www.cbc.ca/news/health/laughter-s-8-benefits-and-6-risks-1.2463532

2014年、笑いが絶えない1年になってほしいものである。

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