キャーーーーーー!
その悲鳴の先には・・・
恐怖というのは明確に説明できないのに感じることがある。世の中には様々なphobia(恐怖症)が存在し、日常生活で遭遇する恐怖はなんとか避けるようにしたいものだが、自然界に存在する「奴」を避けるのはなかなか難しいこともあるだろう。
今回、Sao Paulo大学(ブラジル)のLaura Carmilo Granadoらは、ユニークな蜘蛛恐怖症の治療方法が確かに有効であることを報告した。
以前に本サイトでは、ある恐怖を減らす方法[PNAS]というエントリーで蜘蛛恐怖症の治療について取り上げたが、今回の報告はもっと単純なものである。
蜘蛛恐怖症の治療には「慣らす」というものがあり、蜘蛛そのものをみることに抵抗の強い蜘蛛恐怖症の患者に対して蜘蛛に似た画像を見せながら慣らすという試みがある。上で示した画像は、その治療に使われた画像である。165画像中124画像は蜘蛛に似た何かの画像で、被験者はそれぞれCDに入った画像を次々に見ていくことになる。
画像をみたとき、各種の恐怖症に関する質問や画像中に恐怖を感じる画像があったかどうかなどを調べたのであった。
こんな単純なもので効果があるのかと疑問に思いたくもなるが、今回の試験では対照をおいた比較臨床試験を試み、半年のフォローアップまで加えて、たしかにこの治療が効果がありそうだと結論付けている。
▼【PMID: 17713595】Neural Plast. 2007;:10241.
A spiderless arachnophobia therapy: comparison between placebo and treatment groups and six-month follow-up study.
恐怖ってなんなんでしょうね。