気のせいかもしれないが、ヤンキー少女は早いうちから女になる。
ヤンキー少女がドラマで描かれるとき、たいていの場合複雑な家庭事情を持っている。そして、まわりの学友たちよりちょっとだけ先に悪い男と付き合いだしてトラブルに巻き込まれていく。こんなテレビドラマの脚本は、もしかしたら真実の一部を切り取っているのかもしれない（そうでないかもしれない）。
Child Development誌に最近報告された成績によると、経済的問題、夫婦関係の問題、親のうつ病など家族関係に悩みを抱えている子供は、思春期の発現が早いそうである。
アリゾナ大学のBruce Ellisらは、父母へのインタビューを通じて学齢前から小児期中期まで小児を追跡調査し、夫婦間の対立が少なく、親を頼れる環境にある少女は、最初のホルモン変化が遅かったことを報告している。
こうした現象が何故起こるのかについて『ストレスの多い環境で成長する場合、潜在的に多くの危険因子を内包しているため、早くに性的成熟を迎え、遺伝子を存続するためのチャンスを早くつかめる方が良いだろう。』との考え方がある。
しかし一方で、幼少期の体重が思春期の早期発現と関連するという話や、母親の初経時期が少女の初経時期を決定する最も大きな要因であるとも言われており、真に性的成熟の時期を決定する要因が何であるかは、更なる研究によってわかってくることだろう。
▼【WebMD】Stress Linked to Girls’ Early Puberty
▼【PMID: 17650140】Child Dev. 2007 Jul-Aug;78(4):1302-21.
Family rearing antecedents of pubertal timing.
▼【PMID: 17988322】Child Dev. 2007 Nov-Dec;78(6):1799-817.
Family environments, adrenarche, and sexual maturation: a longitudinal test of a life history model.
ストレスの大きい環境では性的成熟を早く迎えると言う話題は興味深い。
本当にヤンキー少女の性的成熟が早いかどうかについて根拠があるわけでもないが、今回の報告を受けてなんとなく「そういえば、不遇な育ちの女の子は早くに思春期を迎えていることが多いものだ」と納得してしまったのは、僕だけか？