[NEJM] 医学部での特許取得分析

「その特許は大学のものですよ・・・」

共同研究により金銭の提供を受けていながら、特許権は大学にあると主張する。アイデアは自分が出したように言っているけど、本当はアイデアだってもらっているだけということもある。

頭脳明晰かつ品格にも優れた大学教員がいる一方で、あまり感心できない大学教員も少なからず存在する。残念なことだと嘆いて「とんでもない!」と思いながらも、名刺の威力はすさまじく、なかなか逆らえないことだってあるものだ。こういうときにトラブルが起こる。

また、大学付属医療機関の教員による特許取得の問題は、企業とのトラブルに限らない。せっかく独創的な発明をしているのに、全ての権利を大学にとられてしまっては教員の側だって「やってられないぜ!」となってしまう。

:?: New Engl J Medの11月15日号にMassachusetts Institute of TechnologyのP. Azoulayらが報告したレポートによると、これまで、特許取得活動の増加やその状況について体系的な裏づけはなされていなかった。

そこで、彼らは1981~2000 年に申請された特許について米国国立衛生研究所(NIH)による特許付与や、学科の分布、申請者の学位や性別などを調べ、変数に応じて教員1人あたりの申請特許数に基づくポアソン回帰モデルを推定した。

1981年以降、特許数は著しく増加していたが、特許申請は、少数の学科や教員に集中しており、NIHの助成を受けた人が特許申請を行う傾向も最近になるほど強まる傾向にあった。

▼【N Engl J Med 2007; 357 : 2049 – 56 : Special Article.】
The Anatomy of Medical School Patenting
http://content.nejm.org/cgi/content/short/357/20/2049

8-O 「やってられないぜ!」
特許ほどしっかりしたものではないけれど、日々の生活の中には「やってられない」ことが山ほどある。上司に発言に日々、「やってられないぜ!」と苦悩している。

最近、特許取得に興味があり、つい気になったので取り上げた。