[News] 子供の学業不振の原因には作業メモリー不足が関与

何でわからないんだ!知能が低いんじゃないか?と考えたくなるほど、授業についていけない児童がいた場合、すぐに「頭がわるい」と決め付けるのでなく、ある能力の欠落を疑ってみることも大切である。

 今回、Durham大学の研究者らは、子供の学業不振の原因として知能の低さよりも作業メモリ(作業記憶能力)の不足が問題となっている可能性を指摘した。

poor working memory

授業の現場では、教師の言葉をノートに書きとめたり、算数の暗算(紙とペンや電卓を使わないで計算する)などで作業メモリが要求されることになる。

今回、研究者らは、年齢の異なる小児3,000名以上を対象に、新しく開発した作業メモリー評価ツールを用いた調査を行った結果、約10%の子供に作業メモリが低いことを見出した。しかし一方で、作業メモリ不足を認識している教師は少なかった。

研究者らは、作業メモリが少ない子供たちに教えるには、早めに作業メモリの少ない子供を判別し、レベルに沿った指導をすることが大切であると指摘している。

Working Memory Rating Scale (WMRS),
Automated Working Memory Assessment (AWMA).

【Health Day】Poor Working Memory Tied to Low School Scores
【Durham University】Children’s under-achievement could be down to poor working memory

kids heaalth matters
▼ キャプチャ画像⇒ Kids Health>>>Memory Matters
http://www.kidshealth.org/kid/health_problems/brain/memory.html

 パソコンの作業メモリを思い浮かべてもらえばわかりやすいと思うが、たとえば、古いノートパソコンに新しいソフトウェアをインストールすると作業メモリ(情報を一時的に保持しておく領域)が不足しているために何も作業できない状態に陥ってしまうことがある。これは、覚えていられる以上の情報を一気に指令されても、対応できないことから生じる現象だと言えるだろう。

日々、悪さの激しくなってきた子供たちにいろいろ注意しなければならないことも出てくるが、一度にたくさんのことを注意しすぎても駄目である。

また、プレゼンテーションでも同じだろう。あれもこれもといいたいことをたくさん並べてしまうと、本当に伝えたいことがぼやけてわからなくなってしまう。

何かを人に伝えたいとき、適度な情報量を心がける必要を感じるのであった。

【おまけ】
今回、bitstripsというサービスを利用して、ニュース記事の冒頭に漫画を自作して挿入してみた。なかなか面白いサービスなので今後、ニュース記事冒頭で漫画をうまく利用することも試みてみたい。