こういうことをあまり好奇の目だけでみて語るのもどうかと思うのだが、ちょっと衝撃的だったので取り上げてみる。
Thomas Beatie氏はハワイ出身の34歳男性。あごひげを蓄えた端正な顔立ちから彼が生まれたときに女性だった面影は感じられない。彼がいうには、「法的にも男性で、妻ナンシーとは正式に結婚も認められている夫婦である」。
同性愛者の人権運動にも参加する彼は、オレゴン州移住を契機に、2ヶ月に一回の男性ホルモン注射を止め、精子バンクの精子で人工授精を行うことを決意した。これは、20年前に子宮内膜症のために子宮を失った妻に代わって子供を代理出産することを決意したためである。彼、いや彼女は、子宮外妊娠による流産を乗り越え、ついに妊娠に成功したのである。
Beatie氏は、喜びのあまり(?)、あるいは、記念にと思って(?)か、ゲイ雑誌「アドボケイト」に上半身ヌードの妊娠写真を発表するのであった。
▼Pregnant Man – Thomas Beatie to Give Birth (VIDEO)
http://www.trendhunter.com/trends/pregnant-man
▼えっ!男が妊娠、妻の代わりに出産!?
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp1-20080331-342416.html
性別適合手術を経て女性から男性になっておきながら、子供がほしいといって人工授精による妊娠を希望する。乳房切除をしておきながら、子供を生んで育てようとする。
常識的に考えれば、かなりおかしな発想だが、当事者にとっては自分ができることをやりたいようにやっているだけなのかもしれない。
しかし、報道記事が伝えるように周囲の反対は大きいようである。また、『近隣住民の一部からは「数日前にビーティー氏を見たが、おなかは大きくなかった。ヤラセではないか」などの声も挙がっている。』のだそうである。
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今、人工授精による出産が当たり前になり、代理出産が珍しくない世の中になってきているが、生命誕生の神秘の扉を無理やりこじ開けているようで、どうにも違和感を覚える。
報道記事によると、男性ホルモン投与を止めただけで、4カ月で8年ぶりの生理が始まったとあるが、にわかには信じがたい話である。仮に本当だとした場合、生命のしぶとさを感じるとともに、ビーティー氏の行為に対して疑問を感じざるを得ない。
追記
▼Transgender “man” gives birth
http://www.reuters.com/article/rbssHealthcareNews/idUSN0326774720080703?sp=true
Beatie氏がオレゴンの病院で女児を出産したというニュースがロイター通信に掲載されていました。ガセねたかとも思っていましたが、本当だったのでしょうか。