[BMC Neurology] 殺虫剤はパーキンソン病のリスク

これまでにも殺虫剤とパーキンソン病のリスクが人口ベースの調査から報告されたことはあったが、今回の研究では親族間での比較による研究である。マイアミ大学のDana B Hancockらは、319名のケースと親族296名とほかの対照調査の結果から、パーキンソン病患者では、直接の殺虫剤暴露報告例が非暴露報告例よりも1.61倍(95%信頼区間:1.13-2.29)高いことを報告した。

殺虫剤への暴露頻度、期間、累積量とパーキンソン病との関係には用量反応が認められ、特に有機塩素系と有機リン系の殺虫剤でパーキンソン病発症リスクとの関連が強くみられた。

パーキンソン病には遺伝的要因も知られているが、今回の検討においてパーキンソン病の家族歴がない患者で殺虫剤に暴露されなかったものに比べて3.25倍(1.84ー5.73)のリスクがみられたことは非常に興味深い事実である。

【BMC Neurology 2008, 8:6doi:10.1186/1471-2377-8-6】Pesticide exposure and risk of Parkinson’s disease: a family-based case-control study
【medpage.today】Parkinson’s Association with Pesticide Exposure Gains Strength