[PNAS] 運動と皮膚がん予防とカフェインと

健康のためにジョギングをしましょう!
だけど、紫外線を避けましょう!
だったら、日の出前がいいだろう。

早起きしてジョギングすると気持ちのいいものだが、プロボクサーでもあるまいし、日の出前からジョギングして健康管理なんてなかなか出来るものではない。紫外線は皮膚癌のリスクになるといわれているが、一方で健康を維持するためには運動も大切である。じゃあ、どうする?

今回、ラトガーズ大(米国)のLu YPらは、マウス実験より、適度のカフェイン摂取と運動を組み合わせると、紫外線による皮膚細胞の損傷修復能力が飛躍的に高まることを報告した。

彼らは、無毛マウスに紫外線を照射して皮膚細胞のDNAに損傷を与え、カフェイン摂取群(0.1mg/mL:人換算でコーヒー1,2杯)、車輪運動群、カフェイン摂取+運動群、何もしない群の4グループに分け、前がん状態に陥った皮膚細胞の除去能力を比較した。

その結果、何もしなかった場合に比較してカフェイン摂取もしくは運動をしたマウスでは皮膚癌細胞は除去されやすく、カフェイン摂取+運動を施したマウスでは皮膚癌細胞除去能力が5倍近くに達することがわかった。

なお、書くまでもないことだが、この結果をすぐに人に当てはめてよい訳ではないし、コーヒーを飲んだからといって炎天下でのジョギングも薦められるものではないので、念のため。また、どのような仕組みでこの現象が生じているかは今後の研究課題である。

【PubMed】Proc Natl Acad Sci U S A. 2007 Jul 31;104(31):12936-41.
Voluntary exercise together with oral caffeine markedly stimulates UVB light-induced apoptosis and decreases tissue fat in SKH-1 mice.
【NBC4.com】Study: Caffeine Plus Exercise Prevents Skin Cancer
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しかし、なんですな。
いつもよりちょっと早起きしてジョギングしたあと、香り漂うコーヒーでほっと一息つくなら、ジョギングしてみようかななどと思ってしまう。