厚生労働省研究班「多目的コホート研究(JPHC研究)」において保存血液中のビタミンD濃度と大腸がんリスクの関係を調べたところ、ビタミンD濃度のもっとも低いグループに比べ、高いグループでは直腸がんのリスクが低いことが報告された。なお、結腸癌や大腸がん全体としてみた場合の違いは認められていない。
ビタミンD受容体の遺伝子タイプの違いから、日本人は白人に比べて、ビタミンD不足で直腸がんリスクが上がりやすい体質である可能性を示す研究もあるようである。
なお、論文においてビタミン摂取は食事から計算した摂取量を反映していなかった。本研究では、ビタミンD濃度が太陽光(紫外線)によって皮膚で合成される量に関係することから、肌の色の違いや紫外線量の違いによる季節変動も最小限に抑えるように群構成の設定が行われていた模様。
▼【PubMed】Br J Cancer. 2007 Jul 31;97(3):446-51.
Plasma vitamin D and risk of colorectal cancer: the Japan Public Health Center-Based Prospective Study.