心房細動(AF)はヒトの持続性心臓不整脈として広くみられるもので、80歳以上の10人に1人の割合でAFがあり、死亡の独立した予測因子になるとされる。
これまでに家族性心房細動にはカリウムチャネル遺伝子の変異が関係することがわかっていたが、全症例の一部を説明するに過ぎなかった。
今回、スウェーデン、北米、中国の人々を対象としたゲノム解析の結果、染色体4q25上の二つの塩基配列とAFの間に強い関連があることがわかり、欧州の人々の約35%は、少なくともひとつの変異を持ち、中国系の人々では75%が変異を持つことがわかった。
両変異体ともに初期発生における心臓の左右非対称性に重要な機能を持つことが知られているPITX2遺伝子に近接しており、今回の研究成果はPITX2が心房細動の診断テストの標的になるかもしれず、さらに将来的には治療ターゲットにもなるのかもしれない。
▼【PubMed】Nature. 2007 Jul 19;448(7151):353-7.
Variants conferring risk of atrial fibrillation on chromosome 4q25.