[Arch Neurol] 2型糖尿病は認識機能障害のリスク高める

2型糖尿病はアルツハイマー病のリスクだという話題を取り上げたが、学術誌Arch Neurol4月号には、2型糖尿病は軽度認識障害(MCI:mild cognitive impairment) のリスク上昇と関連することが報告されていた。

 

コロンビア大学のLuchsinger JAらは、研究開始当時(1992~1994年)に認識障害でも認知症でもなかった高齢者918名(平均年齢75.9歳)について追跡調査し、対面式のインタビューや医療記録の分析、健康診断といった標準アセスメント、学習能力や記憶機能、言語能力の測定等を実施した。

被験者のうち、糖尿病は23.9%、高血圧68.2%、心疾患33.9%、脳卒中既往歴15%を占め、平均6.1年の追跡期間中に334名が軽度の認識機能障害(健忘型160名、非健忘型174名)に進展した。全体としてみたとき、糖尿病に起因するMCIのリスクは8.8%であり、非ヒスパニック系白人の4.6%に比較してヒスパニック系やアフリカ系アメリカ人でそれぞれ11.0%、8.4%と高かった。

研究者らの考察によると、糖尿病が軽度認識障害につながる理由としては、脳内のアミロイド斑形成が直接影響を与えている可能性や、脳卒中のような脳血管障害が糖尿病やアルツハイマー病に関連することを指摘している。

【PubMed】Arch Neurol. 2007;64:570-575.

Relation of Diabetes to Mild Cognitive Impairment