大豆食は健康にいいですよ
健康によいとは聞くけれど、食事によってどんな変化があるのかな?
糖尿病とか、高血圧になりにくいとか、そんなこともあるかもしれない。
これまで、大豆食がメタボリックシンドロームにどのような影響をもつかはあまりわかっていなかった。メタボリックシンドロームとは、高血圧や高脂血症、肥満、糖尿病などの生活習慣病は、それぞれが独立した別の病気ではなく、相互に健康を脅かすことからつけられたものである。
Shaheed Beheshti医科大学(イラン)のAzadbakht Lらは、無作為クロスオーバー比較臨床試験によって、大豆食が、メタボリックシンドロームの構成要素(血液中の脂質やリポ蛋白、インスリン抵抗性、血糖値など)にどのような影響をおよぼすかを検討した。
メタボリックシンドロームに当てはまる閉経後の女性42名に、対照食(DASH;Dietary Approaches to Stop Hypertension)または、soy-protein食(DASHの食事内容において赤身の肉を大豆に置き換える)、大豆食を食べてもらい、食事メニューを8週ごとに入れ替え、血液中の指標を検討したところ、インスリン抵抗性の指標(HOMA-IR)は、対照食やsoy-protein食に比較して大豆食によってインスリン抵抗性が有意に改善していることがわかった。
また、血糖値やLDLコレステロールも大豆食によって低下し、soy-proteinではCペプチドが減少しなかったのに大豆食ではCペプチドの減少も認められた。
以上のことから、閉経後の女性において短期間の大豆消費によって血糖や脂質の異常が改善することが示された。
▼【PubMed】Am J Clin Nutr. 2007 Mar;85(3):735-41.
Soy inclusion in the diet improves features of the metabolic syndrome: a randomized crossover study in postmenopausal women.
C-ペプチドは、インスリンの前駆体からインスリンができるときに切り出される物質で、すい臓のβ細胞のインスリン分泌能を知ることができる指標である。今回の検討で、赤身の肉を大豆蛋白に置き換えただけでは変化なかったのに、大豆食では変化があったというのは、面白い。
バランスよい食事として大豆蛋白を摂取することが大切であることを示しているように思う。味噌汁や豆腐など大豆蛋白を豊富に含む食品は、糖尿病や高脂血症を予防することにつながるのかもしれない。