ダメだったから次の方法をさがそう!
減量(ダイエット)を試みるたびに失敗を繰り返す彼女は、
いつの間にかダイエットマニアになっていた・・・
世の中には様々なダイエット方法が存在し、そのそれぞれが有効だといわれているが、はたして、どのようなダイエット方法がもっとも有用で危険性が少ないのだろうか?スタンフォード大学メディカルスクールのGardner CDらは、食事療法として知られる4つのダイエット法、「Atkins」「Zone」「Ornish」「米国ガイドラインに沿った食事療法、LEARN」のダイエット効果を1年間の無作為化比較試験によって調べることにした。LEARNでは、生活習慣や運動に低脂肪、高炭水化物の食事を組み合わせて行う。
2003年2月から2005年10月にかけて、閉経前の糖尿病ではない肥満/過体重の女性311名(BMI:27-40)に対して2ヶ月間の教育期間を設けた後10ヶ月のフォローアップを実施した。
1年後、体重減少は、ほかのグループに比べAtkinsダイエットの効果が大きく、それぞれの減量効果は、Atkinsでー4.7Kg、Zoneでー1.6Kg、LEARNでー2.6Kg、Ornishでー2.2Kgであった。長期効果と作用メカニズムの研究がさらに残っているものの、もっとも炭水化物量の少ない食事を摂取したいたAtkinsダイエットの効果は、本試験によりAtkinsダイエットの減量効果はほかの群よりも大きいことが示された。
▼【PubMed】JAMA. 2007 Mar 7;297(9):969-77.
Comparison of the Atkins, Zone, Ornish, and LEARN diets for change in weight and related risk factors among overweight premenopausal women: the A TO Z Weight Loss Study: a randomized trial.
たしかに、減量効果が大きいことは確かなのかもしれないが、ダイエットの本来の目的は体重を減らすことでなく、健康を維持することのはずである。
アトキンス博士は、高たんぱく、低脂肪を勧め、炭水化物摂取を厳しく制限したダイエット法で人気を博し、アトキンスダイエットは一時期、大流行したことがある。しかし、低炭水化物によるダイエットは開始2週間の効果は大きいが、半年後にはあまり減量効果が見られないという批判や、博士が推奨する牛肉やチーズなど飽和脂肪酸を含む食品は心臓への負担をかけるとの意見もあった。
これに対し、短期的な研究では低脂肪ダイエットよりも減量効果があり、血中脂肪の割合も少ないとの反論も出されていた。
一時期のダイエットブームに翻弄され、倒産してしまったアトキンス社だが、果たして、アトキンスダイエットは再び注目されることになるのだろうか?
今回の論文を精読していないので詳細はわからないが、減量だけでなく様々な血液中のパラメータ変化もまた、ダイエットの結果を考える上で比較する必要があると思われる。