ムショ暮らし後の2週間

ふー、しゃばの空気はいいな~!
やり直すぞ・・・
人生をやり直そうと心に誓った彼だったが、刑務所を出た人間に世間は辛かった。ついつい、薬物に手を出して過剰な薬物によりこの世とおさらばすることになってしまったようである。これは、米国西海岸にあるワシントン刑務所に服役していた名もない男の物語である。

:idea: 米国では犯罪増加に伴い、ムショ暮らしを経験する人の数が増えている(らしい)。ところが、ムショを出た後の世間は(たぶん)冷たく、更生するためには様々な試練を乗り越えねばならない。

:?: Puget Sound Veterans Affairs Medical CenterのBinswanger IAらは、米西海岸のワシントン州の刑務所に服役していた受刑者の死亡率を調べ、同州の一般人口と比較した結果、元受刑者では、特に出所直後2週間の死亡リスクが高く、この問題を解消するための介入が必要であることを「New Engl J Med」誌の1月11日号に報告した。

彼らの検討によると、1999年7月から2003年12月までに30,237人が出所し、死亡率は1年10万人あたり777人であった(平均追跡期間1.9年)。年齢や性、人種を補正して解析したところ、服役経験者の死亡リスクは、一般住民よりも3.5倍(95%信頼区間:3.2~3.8)高く、出所直後の2週間に限ると一般住民の12.7 倍(9.2~17.4)にのぼった。主な死因は、過剰な薬物摂取のほか、心血管疾患、殺人、および自殺で、特に出所後2週間の死亡原因は、薬物の過剰摂取であることがわかった。

【PubMed】N Engl J Med. 2007 Jan 11;356(2):157-65. 
Release from prison–a high risk of death for former inmates.
8-O 一度、人生を転げ落ち始めるとなかなか復帰するのは大変だ。

日本でも米国と同じような現実はあるかもしれないが、薬物利用による死亡が12倍というのは、さすがにないだろう(と思いたい)。

ムショから出た人がしっかり更生できる社会を作ることも、非常に大切なことだと思われる。