[Nat Med] ママのおっぱいは超未熟児の肺血症を防ぐ

超低出生体重でうまれた早産児の場合、不幸にも肺血症のため治療の甲斐なくこの世を去っていくこともあるだろう。おっぱいをあげる夢もむなしく、わが子に先立たれたママは、悲しみに打ちひしがれながら母乳を搾り出すことになる。もし、この母乳をあげることができていたのなら・・・・・

Nature Medicineの2009年12月号、コミュニティ・コーナーに掲載されたP Manzoniらの報告によると、ヒトの母乳中に含まれるたんぱく質、ラクトフェリンは新生児の肺血症を防ぐ可能性があるそうだ。

彼らは、超低出生体重児にウシのラクトフェリンもしくはラクトフェリン+プロバイオテック乳酸菌を追加した人工乳を投与し、生後72時間以降から退院前に生じた「遅発型肺血症」への影響を調べた。その結果、プラセボを投与した168名では29名が肺血症になったのに対し、ラクトフェリン単体もしくはラクトフェリンと乳酸菌を投与した新生児153人中肺血症にかかったのは9名だったのである。

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Nature Medicine 15, 1362 (2009)
Milk protein fends off sepsis in premature babies