マウスの脳の遺伝子発現におけるゲノム全域地図が「アレン脳アトラス」計画
の一部として公開されている。
アレン脳科学研究所のE S Leinらは、成体マウスの脳で、約20,000個の遺伝子発現パターンを含む、デジタルアトラスを作成した。デジタルアトラスは、ハイスループットの自動化装置をin situハイブリッド形式により集められたデータをもとに構築され、ゲノム全域にわたる規模での構造解析や相互相関分析に利用できる。
このマッピング作業の結果、脳の構造に関する従来知見が裏付けられたとともに、予想と異なり、マウス全遺伝子の約80%が発現していることがわかった。遺伝子シグナルの70%は、全脳細胞の20%に存在していることから、マウスの脳では非常に限られた領域で大部分の遺伝子が発現していると思われる。
▼【Nature】Nature 445, 168-176 (11 January 2007)
Genome-wide atlas of gene expression in the adult mouse brain