「ギャハハハハ・・・」
面白くもないコントの背後にテープで笑い声が流れている。
「ギャハハハハ・・・」
ユーモアのわからない彼は、まだ仏頂面だ。
しかし、じつは彼には、笑う準備が整えられている。
インペリアル・カレッジ・ロンドンのWarren JEらは、神経学の専門誌
「J Neurosci」に、笑い声をテープで聞かせるだけで笑いをコントロールする
脳領域が活性化することを報告している。
研究チームの教授、Sophie Scott博士によると、良好な聴力をもった20名の
健常人(平均32歳)にヘッドホンを通じて笑い声を聞かせ、その間にfMRI
を施行し、機能的磁気共鳴画像の変化から微笑んだり笑ったりするときに
使う顔の筋肉を支配している脳の領域を調べたそうだ。
人々が歓声をあげているテープを聴いたときには、笑うときに使う領域が反応し、恐怖や嫌な声を効いたときには笑いの反応領域に変化は認めなかった。
▼【WebMD】Sound of Laughter Tickles the Brain
▼【PubMed】 J Neurosci. 2006 Dec 13;26(50):13067-75.
Positive emotions preferentially engage an auditory-motor “mirror” system.
==================
大きな声で笑う人がいる。
たいして面白い話をしているわけでもないのに、大声で笑いながら会話していると、なんだか楽しい気分になってくる。
最初、面白くなかった話でも「笑い」ながら会話することで、なんとなく笑う雰囲気が作られていく。
陰気な雰囲気よりも、明るい雰囲気を作り出すことで本当に明るい気持ちになることがあるように、笑いを作り出すためには自ら笑うことが大切なのかもしれない。
奥様は魔女というアメリカのコメディドラマでは、背後に笑い声がかぶせてあったことを思いだす。近頃のテレビで放映されるお笑い番組でも、笑い声のテープが流されている。
なるほど、笑いのセンスは誰もが持っている。笑いの準備を整えるためにも、笑い声を聞かせることが大切なのだ。もっと、声を出して笑おう!
そんなことを考えた。