「止めときなさい!夜眠れなくなるから・・・」
「そんなことないよ、眠れるもん!」
夜9時を過ぎてコーヒーを飲もうとする少年に父親は眠れなくなるからコーヒーは飲むなとよく言ったものである。果たして父は正しかったのだろうか?
ちょっと前の報告になるが、Biotoday経由で「徹夜明けのコーヒーはその後の昼間の睡眠に悪影響を及ぼす」という報告を知った。
Neuropsychopharmacologyにモントリオール大学(カナダ)の研究者らが報告したところによると、コーヒーを飲む習慣のある34名を対象にプラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験を実施した結果、カフェイン (200 mg;睡眠の3時間前と1時間前に各100mg) はプラセボに比べると入眠時間(睡眠潜時)を延長させ、徐波睡眠(SWS)を減らす作用を持っていることが確かめられた。
しかし、カフェインの摂取によって、夜間の総睡眠時間とREM睡眠時間には影響しなかったそうである。これに対して徹夜明けの睡眠回復には、カフェイン摂取が総睡眠時間とREM睡眠時間を短縮させたのだそうだ。
研究者らは、カフェインの摂取が日中の睡眠を妨げたのは、24時間周期のなかで「起きろ~!」という指令を強める働きがカフェインにあるからだと考えているようだ。
▼【ロイター】Caffeine more disruptive for daytime sleep<リンク切れ:2008.02.15.>
▼【PMID: 16936703】Neuropsychopharmacology. 2007 Apr;32(4):964-72.
Effects of caffeine are more marked on daytime recovery sleep than on nocturnal sleep.
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確かに父は部分的に正しかったことになる。
徐波睡眠の時間が減るということはぐっすり眠る時間が少なくなるということにもつながるわけだがら、ぐっすり眠りたいならカフェインは寝る直前に摂取しないほうがよいかもしれないことがわかる。
しかし、この実験、睡眠の1時間前と3時間前の2回に分けてカフェインを摂取しているが、どうしてそんなに面倒くさいことをしたのだろうか?
抄録だけでしか判断していないので詳しいことはわからないが、そこにちょっと疑問を感じるのだった。
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Journal コーヒー 睡眠