以前に世界初の顔面部分移植がフランスで実行されたというニュースを取り上げた(⇒こちら)が、今度は世界初の顔面全体移植がイギリスで計画されているとのニュース。
ロンドンの王立病院の倫理委員会は25日、顔面全体の移植手術を許可し、同病院では数ヶ月以内の手術施行を目指し、患者選定に入っている。最終的には、顔面全体を負傷し、社会生活上の問題を訴える患者4名を選び、半年ごとに手術を施行する予定である。
どうやって顔移植を実施するかの模式図がこちらに描かれている。
こちらには移植の歴史がリストアップされている(⇒Transplantation Milestones)。
英王立病院のPeter Butler博士は、「患者たちはすでに50~70回の再建手術を経ており、もう顔移植以外ほかに手立てはないんだ」と述べており、移植手術や周囲の環境(患者・家族の心情など)についてもう何年もリサーチしてきたことを明かしている。
コンピュータを使った再構築モデルによれば、患者の顔は提供者よりも患者本人の元の骨格に近い顔になる。
▼【BBC】UK gets face transplant go-ahead
====================-
やっぱりな・・・
顔というある種、個人のアイデンティティを特徴付ける部分の移植には抵抗感が伴うものである。しかし、一旦、どこかの誰かが口火を切れば、次はもっと次のステップへ進もうとなるのは当然のことだろう。
フランスで顔の部分移植が行われた後、いずれ近いうちに全移植もあるだろうと予想していたが、それが現実のものになったわけだ。
その昔、「心臓を移植する」なんてとんでもないことであると思われていたが、今ではそれほど特別なことでもなくなってきている。
僕が抱く「顔移植への抵抗感」は、20年後にはもう抵抗を持つようなことではなくなっているのだろうか?
追記;
日本の新聞報道では1年以内に実施する計画となっているようだ。