またまたコーヒーの疫学研究である。
今回の話は、41,000名を超える閉経後の女性(55-69歳)を15年間に渡って追跡調査し、疾患が特定されて死亡したところをエンドポイントとして死亡率を解析した結果、コーヒー摂取量と総死亡率との間に因果関係を認めたというものである。
American Journal of Clinical Nutritionの5月号にオスロ大学のAndersen LFが報告したところによると、1日1~3杯のコーヒー摂取は心血管死のリスクを減らす(ハザード比0.76:95%信頼区間0.64-0.91)。
心血管死のハザード比は4~5杯で0.81(95%信頼区間:0.66-0.99)、6杯以上で0.87(95%信頼区間:0.69-1.09)。他の炎症疾患による死亡のハザード比は1-3杯/日、4-5杯、6杯以上飲む人の順に0.72(95%信頼区間:0.55-0.93)、0.67(95%信頼区間:0.50-0.90)、0.68(95%信頼区間:0.49-0.94)であった。
著者らは、この結果をうけて抗酸化物質の主な供給源としてコーヒーの消費が炎症を抑え、心血管疾患および炎症性疾患のリスクを減らす可能性があるとしている。
▼【Medscape】Coffee May Reduce Risk for CV Disease in Women
▼【PubMed】 Am J Clin Nutr. 2006 May;83(5):1039-46.
Consumption of coffee is associated with reduced risk of death attributed to inflammatory and cardiovascular diseases in the Iowa Women’s Health Study.
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コーヒーのお話として時々取り上げている「コーヒーは○○のリスクをどうするか?」シリーズであるが、多くの報告は互いに矛盾することも多い。
基本的にはコーヒー摂取賛成派(抗酸化作用を期待)と反対派(交感神経刺激による心臓リスクを懸念)に分かれているわけだが、僕の印象としては賛成派に有利な証拠が揃っているように思う。
ところで、「炭酸入りのコーヒー飲料が発売された」という話題(⇒テクノラティ検索)だが、飲みたいと思いつつまだ飲んでいないことを思い出した。
近頃、コンビニの飲料品コーナーを眺めていないことにふと気が付き、今日の夜はコンビニ探検でもしてみようかと思うのだった。