[Nat Immunol] アラジンの魔法でアレルギー予防_アラジン-1

またひとつ、アラジンの仲間が増えた。
ウィキペディアによると映画やロックバンドなど様々な名称で見かける「アラジン」という名前は、フランスの東洋学者ガランが千夜一夜物語の説話の1つとして紹介した「アラジンと魔法のランプ」が有名になったために、みなが転用して名付けたのだそうだ。

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「アラジンと魔法のランプ」の主人公の名は、アラジン。アラー・アッディーン(Al?’ al-D?n)の西欧式表記(Aladdin)である。そして、今回新たに仲間に加わったアラジンは、「Allergin-1」と名付けられた免疫グロブリン様受容体である。

アラジンの魔法のランプでは、ランプから出てきた魔人がご主人様の願いをかなえるわけだが、Allergin-1(アラジン1)も魔法よろしく、アレルギー反応を見事に抑える。

例えば、予めアレルギー反応で主役を担う細胞上にあるアラジンー1を刺激しておくと、肥満細胞から放出される化学物質量は半減し、アレルギー反応は抑えられた。一方、遺伝子操作でアラジンー1を全く持たないマウスを作ってアレルギー反応を起してみると、通常のマウスよりも激しいアレルギー反応が生じた。

アラジンー1は、免疫受容抑制性チロシンモチーフ様ドメインを持っており、この蛋白質の働きを強めることができれば、アレルギー反応を効率的に抑制することにつながる可能性が考えられる。

以上の成績は、米科学誌ネイチャー・イムノロジー電子版に発表されている。

⇒原著
PMID: 20526344
Nat Immunol. 2010 Jul;11(7):601-7. Epub 2010 Jun 6.
An immunoglobulin-like receptor, Allergin-1, inhibits immunoglobulin E-mediated immediate hypersensitivity reactions.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?cmd=search&term=20526344