医療とゲームの親和性 [mini column]

  iPadの登場は、生活スタイルの大変革の口火をきったと僕は断言しちゃいます。
  
  医療分野におけるIT技術の活用に関する話題をサラっと眺めてみたいと思います。
  
  iPadの登場は高解像度のX線写真やCT画像などを見るのにも役立ちますし、医療情報管理に飛躍的な利便性をもたらすことでしょう。
  
  神戸大学は早速、手術にiPadを取り入れた模様です。

surgery with iPad
  
  http://dai.ly/c9w4v5

  
  iPadと言えば「iPhoneを大きくしただけだろ」なんて感想をもらす人もいますが、大きくなったことは利便性の向上にすごく役立ちます。さすがにiPhoneで手術画像を確認しようとは思いませんからね。
  
  iPhoneと言えばゲームが充実しているわけですが、ゲームといえば、据え置き型ゲーム機「Wii」を発売する任天堂が米心臓協会(AHA)と提携を発表してことも話題になっています。
  
  「Wii Fit Plus」、「Wii Sports」など体を動かす要素を取り入れたビデオゲームに米心臓協会(AHA)のロゴを取り付けるようになったそうです。
  
  http://www.newsroom.heart.org/index.php?s=43&item=1038
  
  米国人の運動不足を解消する取り組みとしてAHAが任天堂と手を組んだわけで、運動の重要性は分かっていてもなかなか運動しない人々に、ゲームの魅力で運動継続を促そうとする試みは注目されるところです。
  
  運動不足解消だけでなく、ゲームには、医療技術トレーニングに役立つという側面もあります。手術手技をシュミレーションゲームで学ぼうという取り組みも各地で行われています。
  
  目の動きを追ってコンピュータを動かそうというゲーム開発の動きがあり、眼球運動を利用した技術の重度身体障害者の日常生活支援への応用も試みられています。
  
  http://bit.ly/bcgf7k
  
  現実に動かなくても考えるだけで「何か」が起こるのです。
  すごいです。
  
  例えば、テレビゲームによって階段の上り下りやスノーボードを体感するだけで、感覚運動野が活性化し、運動機能が改善するという報告もあります。

  ▼Stroke. 2005 Jun;36(6):1166-71.
  Virtual reality-induced cortical reorganization and associated
  locomotor recovery in chronic stroke: an experimenter-blind
  randomized study.
  
  このほかにもGames for Health 2010では、ゲームを通じて様々な医療行為の質を高めようという取り組みが紹介されています。
  
  映像 http://www.gamesforhealth.org/video.html
 
  間質性肺炎患者の呼吸機能をゲームを通じてコントロール
  http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20118101
  
  「馬鹿とハサミは使いよう」
  
  なんていいますが、ゲームの負の側面(闇)だけでなく、光の部分にも注目することが求められるのかもしれません。
  
  電子情報端末の行く末は、使いようによって「悪」にも「善」にもなり得るのだと思います。
  
  ここのところ、やけに疲れるのはiPad画面の見すぎ?
  なんて気もしていますが、iPadは中毒になるほどの便利さをもつニューデバイスだと思います。
  
  IT技術の発達は、膨大な知識量を要求される医療分野のなかで確実に医療の質向上へ向けた改善策を提供するものになってきていると思われます。