美容整形なんてあまっちょろい。事故などであまりに醜く変形してしまった顔を元通りにすることは出来ないが、映画フェイスオフのように顔ごと移植することが出来れば、醜い顔のために人と向き合えないでいる辛さを解消できるかもしれない。そう考えたCleveland Clinicの医師らは、死体実験で顔移植の研究を続けてきた。
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顔は同じだけどキャラが違う不思議。
完璧なゼロからのスタート
今までにも顔移植を実施しようとする試みが取り上げられることはあったが、現実の実施はまだ先の話であった。ところが、ついに顔移植を実施すべく顔移植を希望する患者候補(男性5名、女性7名)のなかから選定する作業が始まったようだ。
顔移植の成功率は50%、移植後は拒絶反応を抑制するための免疫抑制剤を永久に飲む必要がある。移植する顔は、移植を希望するドナーと年齢や皮膚の色などが同じ死体から採取し、皮膚と皮下組織を死体から剥がしてドナーに取り付ける。手術時間は8~10時間を予定している(BBCでは長丁場と書かれていたが、僕からするとずいぶん短時間で出来るように感じる)。
顔移植は患者QOL改善という点で画期的な進歩かもしれなという声がある一方で、合併症のコントロール方法の見通しが立たない限り早計だという声もあり、患者の心理的変化がどのようなものになるか想像がつかない。
なお、顔移植手術というが、死体から移植した顔は、もともとの死人の顔とも、本来のドナーの顔とも異なる第3の顔になるという。
▼【BBC】US plans first face transplant
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「すごいことするな~」ただ、そんな感想を抱く。
最初に記事を読んだときは、そこまでして顔移植をしなくても良いじゃないかと感じたけれど、関連情報の中からいんさいど世界での移植賛成の意見や、特にx51.orgに掲載されたジャッキー・サブリド(22)の写真などをみると、顔移植に希望を見出す気持ちもわからないでもなくなってきた。
一方で、美容整形手術を実施した後にも思い通りの顔でないからと整形手術を繰り返す人がいるように、顔移植をしたからといって本当に満足いくのかどうかは疑問である。おそらく、免疫抑制剤による副作用に悩まされるだろうし、たとえ手術が成功したとしても元の自分の顔を取り戻せるわけではない。
マッドサイエンティストがいなければ科学は進歩しないとはいえ、初めて顔移植をしようと試みる研究者と身をささげる被験者(患者)には、「まだ、止めておきなよ」といいたくなる。しかし、顔移植手術は、性転換手術を望む人々や四肢切断を望む人々を救うための手術と同じだと考えれば、容認できるものなのかもしれない。
賛成・反対の間で揺れ動く気持ちを確認し、顔ってやっぱり特別なものなんだと考えた。
追記050921========
▼ジャッキー・サブリドさんは、飲酒運転による事故に巻き込まれて悲惨な顔になってしまったようで、飲酒運転禁止キャンペーンに登場している模様
http://www.helpjacqui.com/home.htm
ここまで、世界中に顔を知られているのなら、いまさら新しい顔などなくても、生活していけそうなものだが、本人はそんな気持ちになれないのだろうな。。。。。