[Diabetes care] 魚摂取で糖尿病のリスクは減るが甲殻類はリスクを増やす

肉・肉・肉・・・
赤身の肉は糖尿病患者で摂取量が多いという疫学調査もあるが、たしかに身近にいる糖尿病の人々は、肉が好きだよな~と思うことが多い。

ところで、魚の摂取は冠動脈疾患や脳卒中のリスクを減らすといわれているが、2型糖尿病のリスクと魚の摂取に関係はあるのだろうか?詳しいことはわかっていなかったことから、今回、Patel PSらは英国の一般住民を対象に前向き研究を行い、食物摂取頻度調査票を用いて魚介類の摂取や魚フライなど調理法と糖尿病の関連を調べた。

解析対象21,984名(40~79歳)のうち、追跡期間(中央値10.2年間)に2型糖尿病を発症したのは725名であった。年齢、性別を補正した解析により、魚介類を週1回以上摂取していた被験者では、週1回未満だった者に比べて2型糖尿病発症リスクは有意に低い(オッズ比:0.75)ことがわかった。

ただし、魚フライの摂取については糖尿病のリスク低下との関連は認めず、白身魚やω脂肪酸の多い青魚の摂取についても、補正要因として食事に関連する要素(摂取エネルギー量、飲酒、血漿中ビタミンC濃度)や肥満(BMI、ウェスト周囲径)を加えると、糖尿病発症リスク低下との関連はなくなった。

一方、甲殻類を週1回以上摂取していた被験者では、週1回未満に比べて2型糖尿病の発症リスクは1.36倍高かった。

以上、魚の習慣的な摂取を推奨する意義が再確認された一方、調理法の工夫や甲殻類の摂取による糖尿病リスク増加の理由の解明が求められる。

PMID:19592633
The association between type of dietary fish and seafood intake and the risk of incident type 2 diabetes : The EPIC-Norfolk cohort study.
MRC Epidemiology Unit, Institute of Metabolic Science, Cambridge : 英国 Patel PS et al.
Diabetes Care. 2009 Oct;32(10):1857-63. Epub 2009 Jul 10.