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test2009_05_No1_swine_flu.pdf(787.0KB) ・・・後日再掲載予定
以下、内容を一部抜粋
■弱毒型と強毒型の違いは何?
メキシコなどで流行している豚由来の新型インフルエンザウィルスは、弱毒型だといわれています。それなのに、死者が出るなど人類への大きな脅威としてクローズアップされています。このことを不思議に思っている読者の方もいるのではないでしょうか?実は、「弱毒型=症状が軽い病気をもたらす」ではないのです。
弱毒型と強毒型の違いは、遺伝子配列やウィルスが動物細胞に侵入する際の特徴によって決められます。ウィルスが細胞へ侵入するときには細胞にあるたんぱく質分解酵素と反応して変化する必要があります。弱毒型は呼吸器や消化管など一部の臓器にとどまるのに対して、強毒型は全身の細胞が持つ蛋白分解酵素と反応できるため、全身でウィルスが増殖することができます。
■弱毒型だから安心は嘘
では、全身でウィルスが増殖しない弱毒型が安心かというとこれは違います。1918年から全世界で4千万人以上の死者を出したスペイン風邪は、H1N1型の弱毒型だったのです。むしろ、呼吸器だけに症状がでるために軽く考えて対処を怠り、感染者がそれと知らずに外出して人と接触を持ち、さらに感染が広がる懸念もあることから、世界的な感染拡大(パンデミック)のリスクは高いとすらいえるかもしれません。
■インフルエンザとインフルエンス
インフルエンザの何が怖いかというと人から人へ移って大流行を引き起こすことです。インフルエンザにかかった人のそばに一緒にいると、影響をうけて感応してしまう(英語でいうとinfluence)わけです。
influenza と influence なんだか似ています。
ラテン語に、「流れ込む」という意味をもったインフルエーレ(influere)という言葉があります。むかしの人たちは、神秘的な何かが人の体に流れ込むことで、人は影響を受ける(influence;感応する)と考えたそうです。
そして、病気を持っている人に感応した結果、インフルエンザにかかるわけです。
■パンデミックとは?
パンデミックとは、ある感染症や伝染病が世界的に流行することを示します。感染症であるエピデミック(epidemic)が急激に流行ることをアウトブレイク(outbreak)、すなわち感染爆発と呼びます。これが国際的にアウトブレイクし、複数の大陸に蔓延した場合、これをパンデミックといいます。
* ネットサーフィンをしていると、パンデミック=ウイルスの重症化みたいに感じている人がいるようですが、パンデミックというのは感染範囲が拡大することを表すものであり、重症化とは関係ありません。
また、弱毒型だから安心というのも間違いで、従来同様、乳幼児や高齢者はリスクの高い人々ですので、「若者で死亡リスクが高い」等の報道に惑わされることのないようにしていただきたいものです。
たしかに、スペイン風邪等では、若者で死亡リスクが高かった事実と過剰な免疫反応だろうという話はありますが、だからといって高齢者に気を配らなくて良いというものではありません。
続きは、以下のファイルで・・・
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