[BMJ] 定年がみえはじめてからでも運動習慣は余生を長くする

 50歳。
 今の日本であれば、60歳の定年時期が視野に入ってくる。
 定年後の余生が長いことが幸せなのかどうかはわからない。しかし、健康に長生きしたいなら、少なくとも運動を開始するの遅すぎることはないようだ。日本と同じに当てはめていいかどうかは確かでないが、少なくともスウェーデンでは50歳からの運動開始で、男性の寿命が2年以上延びる可能性があるようだ。

 
 研究者らは、スウェーデンのウプサラ地方に在住で1970年代初頭に50歳だった男性2205名を対象に、生活習慣と死亡リスクの関係を60歳、70歳、77歳、82歳時に追跡調査した。調査過程で約6割の対象者は死亡し、運動やガーデニング(このあたりが欧米ですな)など活発な運動に週3時間以上費やす者が半数近くにのぼり、運動習慣の無い男性では死亡率が高かった。
 
 50歳時の状況に限って解析した場合、運動量の少ない男性に比べて運動量の高い男性では平均2.3年寿命は長く、中程度の運動量の男性で1.1年寿命が長かった。また、それまであまり運動をしていなかった者の場合であっても、50歳から運動を開始すれば、運動量の多かった人と同等に10年後の死亡率は下がることも確かめられた。ただし、運動の効果が現れるのに5年は必要であった。

▼British Medical Journal 2004; 328: 1519
Total mortality after changes in leisure time physical activity in 50 year old men: 35 year follow-up of population based cohort

 また、運動開始が遅すぎるということはないのと対照的に、禁煙開始が遅いとそれだけ寿命も短くなることも示されている。

▼British Medical Journal 2009; 338: b688
Mortality in relation to smoking: 50 years’ observations on male British doctors

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僕の隣では、定年を間近に控えた3名のご老体が井戸端会議よろしく年金談義に忙しい。
おい、頼むよ。仕事してくれ、動いてくれ・・・・