骨粗しょう症による骨折の前向き試験において、69歳以上の白人女性8101名を対象に自己評価による睡眠や日々のうたた寝の習慣を調べた結果、日々うたた寝していると回答した女性は、追跡期間7年の間に心血管疾患または心血管疾患やがん以外の原因で死亡するリスクが高い(全死亡率で1.44倍、心疾患で1.59倍)ことが判明した。また、1日の睡眠時間が8~9時間の女性に比較して9~10時間の女性では、心疾患による死亡率が高かった。
著者らは、同試験において昼間の眠気を訴える女性では骨折リスクが高いことをすでに報告(2006年)しており、特定の睡眠疾患が、これら試験結果に関連していないかどうかが今後の研究課題であるとしている。
▼【Health Day】Daily Naps May Raise Older Women’s Death Risk
▼J Am Geriatr Soc. 2009 Feb 10. [Epub ahead of print]
Self-Reported Sleep and Nap Habits and Risk of Mortality in a Large Cohort of Older Women.
▼J Am Geriatr Soc. 2006 Aug;54(8):1177-83.
Self-reported sleep and nap habits and risk of falls and fractures in older women: the study of osteoporotic fractures.
うたた寝習慣が高い死亡率につながる理由は様々だろうが、たとえば関連する報告として以下のような成績が興味深い。
フロリダに住む65歳以上の退職者1508名を対象に電話あるいは直接面談により夜間の排尿回数を調査した結果、約半数の者が夜間2回以上トイレにおきていた。そして、夜間2回以上トイレに起きるものでは、有意に転倒リスクが高かった。
▼J Am Geriatr Soc. 1992 Dec;40(12):1217-20.
Nocturia: a risk factor for falls in the elderly.
高齢者の夜間頻尿は生存率低下につながるといわれており、夜間頻尿の原因には高血圧など心疾患のリスクを増す病気も大きく関与している。
昼間眠いということは、夜ぐっすり眠れていないということであり、健康的な生活には昼間の活発な活動と夜のしっかりした睡眠が大切ということではなかろうか。