
今年の2月19日号のNatureに、Google Flu Trendsは、米国疾病予防管理センター(CDC)が発表する報告よりも1~2週間も速い、ほぼリアルタイムに近い(正確には1日遅れ)のデータ取得が可能であることが報告された。
世界で25万~50万人もの死者を出すインフルエンザは、公衆衛生上の大きな関心ごとである。グーグル社のJ Ginsbergらは、Natureの論文の中で、多数のグーグル検索クエリを分析して、ある集団の中でインフルエンザ様の疾患を追跡する方法を紹介している。
既にGoogle Flu Trends検索エンジンのデータから毎日のインフルエンザ状況を把握できることは昨年末に報告されていたが、今回の論文では、生の検索クエリデータを用いて、地域ごとの監視システムに変換するコンピュータモデルについて触れられている。
ある種のクエリの相対頻度は、インフルエンザ様症状を呈する患者の受診率と相関が高いことから、研究チームでは週単位のインフルエンザ流行を推測することができる。
▼Google Flu Trends
http://www.google.org/flutrends/
▼Published online 19 November 2008 | Nature 456, 287-288
Web data predict flu
▼Nature 457, 1012-1014 (19 February 2009) | doi:10.1038/nature07634;
Detecting influenza epidemics using search engine query data