
およよ・・・
もしかして、高地に住む末期腎不全患者はエリスロポイエチンの使用量が少ないのにヘモグロビン濃度は高くないかい?
よし、確かめてみよう!!
ハーバード大学医学部のWinkelmayer WCらは、「高地に住む透析患者は死亡率が低いだろう」との仮説たて、この仮説を検証するため、1995~2004年に人工透析を開始した末期腎不全患者804,812名を調べることにした。
その結果、海抜の低い場所に住む透析患者に比べて、海抜が高い場所に住む透析患者の方が死亡率は低いことが明らかとなった。海抜76.2メートル未満の場所に住む透析患者を基準とした場合、76.2~609.3m、609.3 ~1219.2m、1219.2~1828.5m、1828.5m以上の場所に住む透析患者の相対死亡率は、それぞれ0.97(95%信頼区間 0.96-0.98)、0.93(0.91-0.95)、0.88(0.84-0.91)、0.85(0.79-0.92)だった。
高度4,000フィート(1219.2 m) 以上に住む透析患者の死亡リスクは12%~15%低いという実に見事な結果である。
著者らは、高地における低酸素状態で生じる何らかの要因が末期腎不全の患者に保護的に働いているのだろうと考えており、そのひとつとして、高地の低酸素状態が鉄分の作用を増強させている可能性を想定しているようである。
▼Doctor’s Guide >
Dialysis Patients Residing at Higher Altitude Have Lower Rate of Death
▼CBS News
Higher Altitude, Better Dialysis Outcome?
▼JAMA. 2009;301(5):508-512.
Altitude and All-Cause Mortality in Incident Dialysis Patients
住む場所によって死亡リスクが見事に違う結果は、ちょっと驚きであった。