[Am J Clin Nutr] 睡眠減らすと間食が増える

夜更かしする → 腹が減る → 食べる → 太る

このような悪循環を何とか脱したいと思っているひとにとって、睡眠時間が短いことと肥満の関係が注目されているのは無視できない。今回、シカゴ大学のNedeltcheva AVらは、睡眠時間の短縮が過剰なエネルギー摂取へと導くことを実験的に示し、Am J Clin Nutr誌の1月号に報告した。

彼らは11名(男6名、女5名)の健康なボランディアを対象に睡眠と摂食パターンを検討することにした。被験者は最初、5時間半睡眠で2週間を過ごし、3ヵ月の間隔をあけて今度は8時間半睡眠で2週間すごすように指示された。この試験期間の食事は研究者らが用意し、被験者は自由に間食を摂ってよいこととした。被験者が口に入れたあらゆるものを詳細に追跡した結果、5時間半睡眠の時には睡眠時間が約2時間少なくなったかわりにスナック(間食)の摂取量が866から1087kcalへと増加し、炭水化物の摂取量も増えていることがわかった。

ところが、エネルギー消費量は睡眠時間の違いにより大きく変化せず、結局のところ、起きている時間が長い(睡眠時間が少ない)と、起きている時間に摂取した余分なカロリーがあるのに、対してエネルギーを消費しないため、結果的に太ることにつながると考えられた。

▼WebMD 
Light on Sleep, Heavy on Snacks?
Study: Snacking Spikes When People Skimp on Sleep

▼PubMed > Am J Clin Nutr. 2009 Jan;89(1):126-33.
Sleep curtailment is accompanied by increased intake of calories from snacks.

昼間は動いていないように思えても、夜遅くに起きていることに比べれば、なんだかんだと動いてエネルギーを消費しているということなのだろう。

また、睡眠時間が短いと食欲抑制ホルモンであるレプチンが減り、食欲を刺激するホルモン、グレリンが増えるという報告もある。睡眠時間が減ることによって、ついつい夜食に手がのびるということもあるのかもしれない。

Sleep loss boosts appetite, may encourage weight gain

いずれにせよ、健康的な生活には夜食など必要なく、適切な睡眠時間が必要ということであろう。