Web版朝日新聞10月3日号の記事によると、医療機器大手のテルモがナノテクノロジー(超微細技術)を使って副作用の可能性が低いカプセル型の開発に成功し、06年には臨床試験に入る予定だそうだ。赤血球から酸素を運ぶ役割を果たしているヘモグロビンだけを取り出し、200ナノメートル(ナノは10億分の1)の特殊なカプセルの中に封じ込める技術を開発したという。
http://www.asahi.com/science/update/1003/001.html<リンク切れ>
カプセルは赤血球の30分の1の大きさだ。このため、脳梗塞や心筋梗塞で詰まった血管も通ることができ、体を傷つけずに脳や心臓に酸素を供給し続ける治療薬として利用できる可能性もあるという。だとしたら、これは非常に大きな市場を生むのではないだろうか?
今まで血管に詰まった血栓を溶かす方法や、血栓が出来なくなるようにする治療がされていたわけだが、「脳梗塞や心筋梗塞で詰まった血管も通ることができる」というのが本当なら、全く新しいメカニズムによる治療といえるだろう。
血管を広げる治療から、血管の中を通る物質を小さくしてしまった。この発想の転換がすばらしいと思う。
2007.09.16.追記
その後、いまひとつパッとしたニュースを聞かないものの、人工血液を目指した研究は徐々に進んでいる模様。
【関連リンク】
▼テルモ ナノカプセル
http://www.terumo.co.jp/company/development/rdc_03.html
▼oxy-genix
http://www.oxy-genix.com/top/index.html
今は、オキシジェニクス社が頑張っているようで、昨年の5月には『オキシジェニクス ニプロと人工酸素運搬体「Oxygen Carrier」将来製造に関する契約を締結』⇒pdfというニュースが出ていた。
早稲田大学人工血液プロジェクト
http://www.waseda.jp/prj-artifblood/top%20page.htm