[Nature] A型肝炎になるとアレルギー性疾患になりにくい?

Nature 425, 576(2003) にD T Umetsuたちが報告した内容によると、A型肝炎ウイルス(HAV)はTIM-1受容体タンパク質を介して免疫細胞に侵入するという。変異型のTIM-1遺伝子をもち、HAVに感染した経験のある人では、アレルギー性疾患が起こらなくなるらしい。TIM-1変異型遺伝子は、ウイルスの細胞への侵入の効率を高め、アレルギー応答に影響をおよぼすのではないかとUmetsuたちは推測している。

▼【Nature】Nature 425, 576(2003)
Immunology: Hepatitis A virus link to atopic disease

アレルギー発症は、衛生環境が整ってきて以降、増え続けていることから寄生虫感染がアレルギーを抑制しているのではないか?という説がもっともらしく語られている。今回の彼らの報告がこのあたりのことを説明するのかもしれない。また、このあたりの研究を進めていくことでアトピー性疾患治療の新たな治療法が見つかるのではなかろうか?