NatureMedicine 9(8)1069-,2003にワシントン大学のC Bernal-MizrachiらがLDL受容体欠損マウスを用いた基礎検討を報告した。グルココルチコイド治療における続発症として高血圧症および糖尿病が知られている。彼らは、これらの続発症がペルオキシソーム増殖剤活性化受容体α(PPAR-α)を介して発症するのか否かを明確にする目的で検討を行った。
① 低密度リポタンパク質受容体を欠損し(Ldlr./.)、かつPPAR-αをもつ(Ppara+/+)マウス
② 低密度リポタンパク質受容体を欠損し(Ldlr./.)、かつPPAR-αを欠損する(Ppara./.)マウス
上記の両群にデキサメタゾンの慢性投与を行った結果、Pparaα+/+マウスでは高血糖症、高インスリン血症および高血圧症を発症したが、Ppara./.マウスではいずれの発症も認められなかった。
また、デキサメタゾン投与Ppara+/+マウスにおいて、肝臓での糖新生遺伝子の発現は増加し、インスリンによる内因性グルコース産生抑制効果は減少した。このほか、様々な検討結果から彼らは結論として、「LDL 受容体欠損マウスにおけるデキサメタゾン誘発性高血圧症および糖尿病はPPAR-αに依存する」としている。
▼ PMID: 12847522
Nat Med. 2003 Aug;9(8):1069-75. Epub 2003 Jul 6.
Dexamethasone induction of hypertension and diabetes is PPAR-alpha dependent in LDL receptor-null mice.