糖尿病にも季節性がある?

パリで行われたIDF(国際糖尿病会議)の学会抄録をパラパラとめくいっていると”季節性の糖尿病”という言葉が目に飛び込んできた。糖尿病に季節性があるの??と疑問に思い、内容を見てみると本当に季節性があるらしい。

IDF: http://www.idfparis2003.org/
e2med:http://www.e2med.com/dm

1型糖尿病の子供は、秋・冬に糖尿病の徴候を起こす一方で、1型糖尿病を持った子供の誕生日は春・夏に多いことがスロバキアでは知られていたそうだ。M.Mikuleckyらの報告によると子供の1型糖尿病の季節性は、コクサッキーウィルス感染とHLAClassⅡからみた遺伝リスク、自己免疫(IAー2A抗体陽性)と関係があるという。

この演題だけなのか?っと思い、もうちょっとパラパラと抄録集をめくってみるとほかにも季節性糖尿病を話題にした演題がデンマークやリビアから出ていた。

そうか。。。。1型糖尿病の子供には季節性があるんだ。

周りの人たちもこのことは知らなかったようで、今、テレビで話題の「トリビアの泉」でいうところの何 ” へえ ” に相当するのだろうか?

==============以下、追記(2007.09.09)

その後、調べてみると日本でも後藤らの研究により、糖尿病診断の季節性として、30歳未満の若年症例では12月、1月、2月が多く、4、5月に少ない傾向がみられたとの報告があった。ただし、女性では3月が多く6月が最も少ないというように男性と異なっており、季節により発病が異なるというのは気温などよりも社会風習による影響の方が多いと考察されていた。

PubMedで検索をかけてみると、Ⅰ型糖尿病の子供ではビタミンDレベルが低い(Med J Aust. 2007 Jul 2;187(1):59-60. )という話題や、parechovirus 1の感染はⅠ型糖尿病と関連ない(J Med Virol. 2007 Apr;79(4):457-62.)という話題、はたまた、2型糖尿病患者の歩く習慣と季節変化の関係(Cardiovasc Diabetol. 2007 Jan 15;6:1.など、)いろいろ研究が進んでいる様子が伺える。

【PubMed】Seasons”[Mesh] x diabetes

Journal of the Kyorin Medical Society Vol.15, No.3(19840930) pp. 347-358
糖尿病に関する遺伝疫学的研究 : I. 若年発症インスリン依存型糖尿病と季節との関係