オンラインによる健康管理の未来 [web]

Googleがついにリリースしたようである。
 「Google Health」では、各人の健康状態(身長や体重、人種、性別、年齢、持病など)、使っている薬を記録し、医師を探す手助けもしてくれる。現在は英語版しかないが、いずれ全世界でサービスを展開することになるのではなかろうか(推測)。
 
 本サービスはGoogleアカウントで利用することが可能で、プロフィールを複数作成できるので家族の健康管理にも使えるかもしれない。また、Googleが提携している医療機関や薬局などからデータをインポートすることも可能である。

GoogleHealth
 Google Health
 https://www.google.com/health

このサービスの登場で明るい未来と恐ろしい未来の両方が目に浮かぶ。

 全世界の人間が正直に自分のプロフィールや健康状態を登録したと仮定しよう。これは、各国政府や健康保険機関が保有する医療データベースを上回るすさまじい数の情報が、世界中にまたがって蓄積されることを意味する。
 
 おそらく、数年の後には各人の遺伝子情報も血液検査で分かる時代が来るであろう。そうなれば、個人情報に遺伝情報まで登録することだって出てくるかもしれない。
 
 どんな人種が、
 どんな病気で、
 どのような症状を持ち、
 どのような特徴を有し、
 どのような治療をしているのか、
 
 あらゆる切り口から人類の健康情報を解析することが可能になるだろう。
 
 登録された情報の信憑性をどのように担保するかなど解決すべき問題はあるだろうが、Google Healthによって集積されるだろう人類の医療情報データベースは、おそらく今はまだ解決されていない病気の解明や治療の開発に役立つ情報を提供してくれる可能性がある。
 
 このように医療従事者もしくは研究者にとっての有益な情報を提供するだけでなく、患者自身にもメリットはあるだろう。
 
 自分の健康状態に合わせてGoogleから医師や健康関連情報を提供を受けることもできるだろうし、おそらく、似た症状や同じ病気に苦しむ患者仲間を見つけ、悩みや苦しみを共有することで「共に病と闘おう!」的なコミュニティも生まれるだろう。
 
 
 一方、Googleの保有する情報収集力に脅威を感じるのは僕だけだろうか?
 個人情報に関してGoogleは以下のように述べている。
 
 We will never sell your personal health information or data
 We will not share your health data with individuals or third parties unless you explicitly tell us to do so or except in certain limited circumstances described in our privacy policy.
 
 たしかに、Googleが集めた情報を売り買いして儲けることはないかもしれないが、集めた情報の中から独自の顧客情報分析により、更なる次の商売を考え出すことはあるだろう(ここにこそ、Googleの強みがあるんじゃなかろうか)。
 
 中国での情報規制にGoogleが加担したことが一時期話題になったが、いつ何時、情報操作が行われるようになるかはわからない。
 
 かつて戦乱の世において、伊賀忍者、甲賀忍者が情報戦で暗躍した時代があった。情報を制することで一歩先をいき、相手を打ち負かすことができたのである。
 
 Google Healthによって集まってくる情報が世を明るくするか暗くするかは、紙一重の違いだと思う。
 
 さて、オンラインによる健康管理の未来は、今後どうなっていくのだろうか?
 その動向に注目したい。