グラスゴー(英国)で行われた糖尿病のミーティングの席で「South American frogから得た汗に糖尿病の新しいカテゴリーに属する治療薬としての可能性」が報告された。
ここで取り上げられたカエルは、体長27cmにもなる大きなカエルで、トリニダードやアマゾンに住み、年を重ねると共に小さくなるという風変わりな習性をもつことから、paradoxical frogと呼ばれている。ピンクやグリーンなどそのカラフルな色合いは、見るものによっては愛らしく感じるだろうし、時に趣味が悪いと感じるひともいるかもしれない。
このSouth American frogの皮膚から分泌される物質、pseudin-2は自身を感染から守っていると言われる。
今回、Ulster大学とUnited Arab Emirates大学の研究者らは、インスリンを分泌する細胞である膵臓の細胞に対して、カエル分泌物の効果を調べることにした。
研究者が合成したpseudin-2は、膵臓の細胞に対して毒性を示さず、天然ものよりもインスリン刺激作用が強いことが分かった。
この研究を行っているDr Yasser博士は、これまで、両生類の皮膚分泌物から得られる生理活性物質を研究してきており、最近ではアメリカドクトカゲの唾液分泌物質中にみられるホルモンから見出した糖尿病薬、exenatideを開発している。
彼らは、今回の発見によって、インクレチン類似薬と言われる糖尿病治療の新しいクラスの治療薬になるだろうと語っている。
インクレチンは、消化管から分泌されインスリンの分泌を刺激するホルモンの総称で、既にインクレチンの働きを真似した糖尿病治療薬は臨床開発されている。
▼【BBC】Frog skin diabetes treatment hope
▼【The University of ULSTER】
Frog Secretions Could Offer Diabetes Treatment Hope
→ Wkipediaのガマの油の話がなかなか面白い。
ガマの油