[BMJ] ソフトドリンクは痛風を引き起こす

痛風は40歳以上の男性によくある病気で、関節の痛みや腫れは辛いものである。血液中の尿酸値が高いと尿酸の結晶が関節周囲に集まり、痛みを引き起こすと考えられている。

米国では過去数十年間にソフトドリンクの消費量増大に一致して痛風が倍増しており、実際、フルーツやオレンジジュースに含まれる果糖は血清尿酸値を上昇させることが知られていた。しかし、ソフトドリンクと痛風の関連ははっきり示されていなかったことから、今回、British Columbia大学バンクーバー総合病院(カナダ)のHyon K. Choiらは、この関係を明らかにしようと試みた。

研究者らは、health professionals follow-up studyに登録され、痛風の既往歴がなかった4万6,393名の男性医療従事者を対象にソフトドリンクと痛風の関連を前向きに調査し、その結果をBMJの2月9日号に報告を寄せた。

追跡期間12年で755名が痛風となり、データを解析した結果、ソフトドリンクの摂取量が1月に1杯未満の人に比較して週に5~6杯摂取する人ではの痛風発症リスクは1.29倍高いことがわかった。また、毎日1杯相当のソフトドリンクを飲む人では1.85倍、2杯/日以上で1.85倍痛風を発症するリスクが高まる傾向にあった。

さらに、含まれる果糖の摂取量を5段階にわけて調べた場合、果糖の量が増えるグループほど、痛風のリスクは高まり、果糖摂取量が最も少ないグループに比べて最も多かったグループでは、相対リスクが2.02という結果になった。

痛風といえば、ビールを飲むな!いくらを食べるな!っとプリン体の摂取制限に焦点があてられていたが、じつはプリン体の少ない食事には果糖が豊富な場合も多い。

研究者は、痛風をさけるための低プリン体食が逆に痛風のリスクになっていた矛盾を指摘すると共に、果物や野菜には高血圧や脳梗塞、癌を防ぐという有益な作用もあるため、食事の摂取バランスが大切であると語っている。

【iHealth Bulletin]】
Fructose in soft drinks triggers gout, raises uric acid
【PMID 18244959】BMJ. 2008 Feb 9;336(7639):309-12.
Soft drinks, fructose consumption, and the risk of gout in men: prospective cohort study.