[Neurology] むずむず脚症候群の人は心血管疾患のリスクが2倍に

むずむずむず・・・
う~ん、気持ち悪いなー
一晩に300回近くも脚を動かし、眠るに眠れない。特にじっと安静にすればするほど、脚がむずむずしてくるのだ。頼むよ、何とかしてくれ~!!!

こんなストレスが影響するのかどうかは知らないが、レストレスレッグス症候群(RLS、むずむず脚症候群ともいう)の患者は、症状のない人に比べて心血管疾患のリスクが2倍高いらしい。

Neurologyの1月1日号にHarvard Medical SchoolのWinkelman JWらが発表した成績によると、睡眠と心臓に関する健康調査(Sleep Heart Health Study)に参加した3,433名のうち女性7%、男性3%がRLSと診断されたそうである。

研究者らは、Sleep Heart Health Studyに参加した男性1,559名と女性1,874名について、自己記入式の質問表によって4つの診断基準を調べ、少なくとも月5回は中等度以上の症状を持っていた人をRLSと定義した。また、冠動脈疾患に関しては、医師診断による狭心症や心筋梗塞、冠動脈再建術の既往について患者の自己報告により拾い上げ、心血管疾患には、医師により脳卒中もしくは心不全と診断された既往歴のある人も含んで評価をした。

年齢や性別、人種、肥満度指数, 糖尿病, 収縮期血圧、高血圧の薬物療法や総コレステロール/高LDL比、喫煙歴などで補正して解析した結果、RLS患者では、RLSでない患者に比べて冠動脈疾患のリスクが2.05倍(95%信頼区間:1.38~3.04)、心血管疾患のリスクが2.07 倍(1.43 to 3.00)高いことがわかった。

1月の半数以上の夜間に、脚がむずむずする症状を経験している重症の患者では、中等度の患者に比べて心血管疾患との関連もより大きいものであった。

今回の研究結果は、必ずしもむずむず脚症候群と心血管疾患との因果関係を示すものではないが、RLSと心血管疾患の関連をあぶりだしたものであり、今後、RLSの治療が心血管疾患のリスクを減らすことにつながるかどうかの研究が待たれるところである。

Health Dayの記事によると、「その昔、イビキや睡眠時無呼吸が心血管疾患のリスクだと認識されるまでに長い間軽視されてきたのと同じ状況だ」と指摘する専門家もいるようである。
【Health Day】Restless Legs Syndrome May Cause Heart Problems: Study
【PubMed】Neurology. 2008 Jan 1;70(1):35-42.
Association of restless legs syndrome and cardiovascular disease in the Sleep Heart Health Study.