[Genome Biology] 楽しく遺伝子コードを読む方法

「今や時代はポストゲノムだよ」
「ヒトゲノムのコードがわかればいいけど、
AGCTCGC・・・と続く暗号は読む気もしないほど退屈だよ」
「なんとかもっと楽しくできないかな~」
「そうだ、音符に変換したらどうだろう?」

こんな会話があったかどうかは知らないけれど、世界各地で科学データを音楽として鑑賞にたえるものに変換しようとする動きが進んでいる。AGCTCGC・・・と続く暗号は無味乾燥だが、これを一般大衆や幼児や視力の悪い科学者たちにも親しみやすいものにできれば、面白いはずだ。

これまでにも、赤から青色に区分した気象マップをもとに、それを音楽として表そうという試みはすでに報告されていたし、DNA順序を直接音楽に置き換える試みがされてきた。しかし、塩基3つを基に音符を組み立てDNA配列の構成からメロディを作っていく方法では、音楽にテーマや深みがなかった。また、たんぱく質の折りたたみ構造を使って音楽性にテーマを持ち込むことも試されてきた。

そして、カリフォルニア大学のRie Takahashiらは、新たなプログラムを開発し、それをテストにかける段階までこぎつけた。Gene2musicでは、E-mailアドレスとDNA配列を入力してサブミットボタンを押すことで、アミノ酸配列から音楽を作り出してくれる。

【Genome Biology 2007, 8:405 】
Conversion of amino-acid sequence in proteins to classical music: search for auditory patterns

▼【gene2music】 Online Translation of Genetic Sequences to Music
http://www.doe-mbi.ucla.edu/cgi/pettit/gene2musicweb

生命の営みの根幹を担う仕組みを音楽として鑑賞できるなんて、考えただけでもなかなかわくわくする試みだと思う。