フェイスブックは、いまや世界最大のユーザー数を誇るソーシャルネットワークとして有名だ。フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏は、今年最も影響力のある男としてTime誌による「Person of the Year 2010」に輝いた。
2004年ごろ、モテナイ君だった(であろう)大学生時代にFacebookを設立し、2010年7月にはユーザー5億人というから、確かにザッカーバーグ氏の影響力はものすごい。
フェイスブックという青志社から出た小説では、フェイスブック創業時の裏話がハーバード大学学内の学生生活の様子とともに描かれ、フェイスブックが巨大化していく過程で起こった裏切りとも思える友人間のいざこざが、創業資金を提供した友人の視点を通じて描かれていて面白い。今まで知らなかったハーバード大学内の学生生活の様子がわかり、面白く読んだ。映画化の話が進んでいると聞くが、楽しみである。
さて、そんな急拡大を続けているフェイスブックだが、規模が大きくなり、仮想現実がより現実に近づけば近づくほど、現実世界の健康問題ともかかわりを持ってくることもあるだろう。
英国の医学専門誌LANCETに、ソーシャルネットワーキングにより喘息発作が誘発されたと思われる18歳の男性症例のケースが報告された。
イタリアに住む18歳の男性は捨てられた恋人が忘れられず、元恋人にフェイスブックの友人リストから削除されて抑うつ状態にあったなか、別の新しいニックネームを用いて元恋人の友人になることに成功した。
ところが・・・
元恋人の女性は、新たに多数の若い男性を友人に登録しており、彼女の写真を見た男性は息苦しさを感じずにはいられなかった。
心配したのは、男性の母親だった。
息子がインターネットにアクセスする都度、調子が悪そうにしているのを見た母親は、息子に呼吸機能を測ってみる事をすすめた。
素直に従った息子が、インターネットへのログイン前後に最大呼気流量(PEF)を測定したところ、フェイスブックを見たときには、な・なんと!20%を超える呼吸流量の低下が認められたそうである。その後、フェイスブックへのアクセスをやめた男性は、喘息症状もおさまったそうである。
著者のGennaro D’Amato氏らは、感染や環境因子によって喘息が引き起こされた可能性も検討し、最終的にフェイスブックにログインして元恋人の写真を見ることが心理的ストレスを起こし、これが誘引となって呼吸機能の低下(喘息症状)が起こったのだろうと結論付けた。
⇒The Lancet, Volume 376, Issue 9754, Page 1740, 20 November 2010
Facebook: a new trigger for asthma?
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(10)62135-6/fulltext
⇒HealthDay News>Did Ex-Girlfriend’s Facebook Page Trigger Man’s Asthma?
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=646144
⇒Lancet: Facebook triggered asthma attack in previously asymptomatic teen
http://www.inquisitr.com/90781/facebook-induced-asthma-attacks/