食べた食べた!!
近頃、我が家ではカエルへの餌やりを家族そろって眺め、楽しんでいる。
昨年、長男が捕まえてきたアマガエルを買っていて、毎週日曜日には餌のこおろぎを買いに自転車で遠征するのだが、生き物を買うのは本当、大変である。
さて、カエルは両生類に属するわけだが、これまでに両生類の全ゲノムが解読されたことはなかった。このたび、2010年4月30日付けのサイエンスにアフリカ産ツメガエルのDNAを解析した結果が報告された。本結果は、ヒトやマウスなどの哺乳類、ニワトリなど鳥類、メダカなど魚類のゲノムと比較することで動物進化の道筋解明に役立つと考えられる。
報告によると、ゲノムはヒトの6割にあたる17億塩基対あり、遺伝子は約2万個とヒトや魚類と大きな違いはなかったが、遺伝子の働きを調節するだろうと考えられている部分については半分以上が魚類と一致しなかった。このことは、魚類と両生類の違いは、遺伝子が何時、何処で働くかの違いにあることを意味する。また、遺伝子の働きを調節するヒトとカエルの共通部分は約3万2千箇所あり、ヒトの疾病原因として知られる遺伝子の約8割(2299個)はカエルにも存在することがわかった。たとえば、心房中隔欠損症の原因遺伝子に欠損があるカエルではヒトと同様の症状を示す。
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PMID: 20431018
Science. 2010 Apr 30;328(5978):633-6.
The Genome of the Western Clawed Frog Xenopus tropicalis
Comment in:
PMID: 20430981
Pennisi E. Science. 2010 Apr 30;328(5978):555.
Genomics. Frog DNA yields clues to vertebrate genome evolution.
こうした結果をさらに追求していくことで両生類のもつ再生能力の仕組みが明らかにできれば、その結果はヒトの再生医療への応用にもつながることが期待される。