[News & Psychol Rep] 子供はサンタに会いに行きたいか? 

「いい子にしていないとサンタさんが来てくれないよ!」
「いやだ~、いい子にする!」
「そうそう、いい子にしていたらデパートへ連れて行ってあげるよ。サンタさんがいるかもしれないよ」
「え~、嫌だ~!公園で遊ぶ~!!!」

そんな会話があったのかどうかは知らないが、ニューヨーク市にあるジックリンビジネススクールのEmeritus John Trinkaus教授は、彼をいらだたせた事柄について詳細なデータを集め、学術誌に研究報告を寄せている。彼はこれまでに80報以上におよぶ報告が評価され、2003年、みごとにイグノーベル賞(アホらしいがまじめなユーモアのある研究に贈られるノーベル賞のパロディ版)を受賞したのであった。

 

彼の研究のひとつが「the-iffiness-of-santa」として紹介されていた。ジョン・トリンカウス教授は、痛み評価に使われるフェイスマークスケール(絵に描いた顔を基準に6段階評価する方法)指標を採用し、300人の幼児の表情を観察した研究の結果、ショッピングモールにいるサンタを訪問することに対して95%以上の子供たちは無関心もしくは消極的であることを2004年に報告している。そして、2005年にはショッピングモールでのサンタクロースを楽しんでいるのは、子供ではなく親のほうであることを報告した。そして、今また、間近にせまったサンタクロースの訪問に対して、さらなる追加研究を計画しているそうだ。

【Improbable Research】The Iffiness of Santa
【Impossible Research】Parents, not kids, enjoy mall Santas
【PubMed】Psychol Rep. 2004 Oct;95(2):587-8.
Visiting Santa: an informal look.
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彼が何にイライラしてショッピングモールのサンタさんについて調べ始めたのか分からないが、彼の研究結果は分かる気がする。

我が家では、せっかく子供のためにお出かけしようとしても、子供がぐずぐずしているので、もう出かけるのが嫌になることがたまにある。子供にとっては、未来の分からないことよりも目の前の楽しいことのほうが優先される。

また、人ごみの中へ出かけることは子供にとって大きなストレスになるということを近頃の若い親は忘れているのではないか?と思う光景を見かけることがある。自分の好きなおもちゃで存分に遊ぶこともできないまま、親のショッピングに付き合う子供も苦労する。

ジョン・トリンカウス教授が報告した80報の学術研究は、それぞれがユニークである。たとえば、以下のようなことを彼は追及してきている。彼の研究の例をあげよう。

・「野球帽をかぶっている若者の何割が、つばを頭の前にでなく後ろに向けているか?」
・「歩行者のうち何パーセントが、白い運動靴をはいているか?」
・「外勤者の何割がアタッシュケースを持ち歩いているか?」

なるほど、日々のイライラや観察結果を研究の対象にするというのは、なかなかおもしろい。